春の養生
2018/05/15
中医学(中国漢方)の特徴の一つに「五行学説」という考え方があります。これは、宇宙を構成する全てのものは「木・火・土・金・水」のいずれかの特性を持っていて、5つに分類できるというもの。それぞれは互いに影響しあっていて、それらが調和することでバランスが保たれると考えます。中医学では、この法則に当てはめて人体を5つに分類(肝・心・脾・肺・腎)し、季節(春・夏・長夏・秋・冬)や季節ごとの特徴(風・暑・湿・燥・寒)など、自然の影響を考えながら体を整えます。季節によって、かかりやすい病気や体調不良があるのは、このように体が自然の影響を受けているからです。
この考え方から見てみると、春は「木」に属する季節。万物が伸びやかに生まれ育つ時期で、新陳代謝も活発になり、体内の陽気も動き始めます。初春のころは体がこの変化ついていけず、頭がぼーっとしたり、だるさを感じたりすることもありますが、無理をせず少しずつ体を動かすようにすれば楽に動けるようになります。
また、春には「風」と「肝」が当てはまるので、春の養生では「風」の影響を抑え、「肝」を養うことが大切。特に気を付けたいのは、精神的なトラブルです。「五月病」ともいわれるように、春は感情の調整機能を持つ「肝」が影響を受けやすく、イライラしたり情緒不安定になったりしやすい季節なので、「肝」を十分養ってストレスを発散するよう心がけましょう
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